ブログ

マーケティングLab

2019.11.13

後編/ショピモは、私たちMD企画2課のシンボル的な活動の1つになっています。【ショピモ活用企業に聞く~Case2】ミツカン様

「これがお客様にとって必要な情報をダイレクトに、タイムリーに伝える手段なんだな」と感心・感動。

―メニュー提案はまさにショピモの得意とするところですが、そもそも御社がショピモを使ってみようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

油谷 最初の出会いはたしか2016年くらい? ショピモがまだ始まったばかりの頃に店頭で体験させてもらって、画面でポップアップするPUSH広告などを見て、これは弊社で力を入れている関連販売に活用できそうだなと思ったのを覚えています。関連販売というのは、たとえばサンマ売り場の横にぽん酢を置いてもらうといったことですが、普通にただ置いただけではやはり売れない。そこをショピモで後押しというか、コンテンツで一緒に見せてあげることができたら、すごい販促の支援になるなと思いましたね。
その後、御社のサービスもPUSH配信の精度がより上がったり、いろんな機能も追加されたりと進化されていますが、先ほども言ったようなタッチポイントの1つとして活用できればと、今も継続してお付き合いさせていただいています。

栗原 私はまたちょっと別の観点ですが、最初にショピモを知ったときに「販促物の代替、コスト削減」につながるんじゃないかと思いました。弊社の商品を店頭に並べる際に、訴求内容をトップボードやリーフレットの形にして売り場への設置を促していたのですが、今や商品が並ぶ以上に販促物を設置してもらうハードルも高くて。
つまり、伝えたいことはあってもその手段が使われなければ伝えてないのと一緒という状況でしたので、そこでなんとかショピモを情報伝達に使えたらという思いがありましたね。

―最初にご利用いただいた「金のごまだれ」では、ショピモクーポンのご出稿+店頭の売り場近くでPUSH広告をポップアップで出すという施策をやらせていだきましたが、実際に使われてみてどのようにお感じになりましたか?

栗原 ショピモを利用した背景として、いまリアルな店舗にいらっしゃる買い物客の方って、ほとんどが何を買うか決めていない非計画購買なんですよね。昔だったらチラシを見て来店して買い回りをする人が多かったんですが、今は何の気なしに来店して、そこでいいなと思ったものを買うというような、購買の意思決定が店内で行われている。であるならば、ショピモでタイムリーに売り場の前や近くで情報を届けて態度変容させることで、購買を促すことができるのでは?という点にすごく関心がありました。

弊社の「金のごまだれ」という商品はテレビCMもやって、ある程度のシェアもありますので、店頭でも決して売り場からカットにならない定番商品ではあるのですが、逆に言うと今、いの一番に売り込む商品ではないだけに、売上のストレッチをかけるとか新たな顧客をつかまえるといったことが難しくなっている状況でした。
そこでショピモを使って、定番棚に近い場所で「金のごまだれ」の情報を発信したところ、明らかにその情報接触によってお客様が店内の基本的な導線を外れて、商品を置いている売り場へ行っていることがヒートマップ検証によってわかった。それを見たときは、ああこれがダイレクトにお客様へタイムリーな情報を伝える1つの手段なんだなと、すごく感心・感動しましたね。

油谷 そうそう、あの時はクーポンによるポイント販促に動画の出し分けとかも組み合わせて、お客様へどういう情報を与えると、どう行動が変化するかというのをヒートマップをつくって検証しましたよね。

栗原 ある程度、認知だとかシェアのある「金のごまだれ」のような商品は、どちらかというとリマインド効果が大きかったのかなと。「そういえば最近、買ってないな」という人がショピモの情報によって動いてくれたのかなと推察しました。

ミツカンさんがショピモを使って最初に取り組んだ、「金のごまだれ」のクーポン画面。すでに定番品として一定のシェアがある商品ですが、ショピモで情報を届けることで改めてお客様の関心を引き出すことができました。

ミツカンの提案によってお客様が楽しく満足してお買い物をしてもらえたら、店舗にもWIN-WINになる。

栗原 その後にやった中では「八方だし」の事例があります。自画自賛で恐縮ですが、この商品は一流料理人にも認められた商品です。さまざまな料理のベースになる本格的な料理だしとして、これを使うことであらゆる料理の質を一段上げるぐらいの意気込みで弊社の技術を結集した自信作なんです。
ただ、いくらいい商品であっても、各ご家庭の味を決めているものをスイッチングさせるのはなかなか容易じゃない。そうなると、八方だしを使う機能的・情緒的価値をどういうメニューで訴求するのかということを伝えたいんですけど、先ほども言いましたように売り場のトップボードの視認率ってすごく低くて、商品の認知・理解につながっていない。そこでショピモを使って、こちらから積極的にコミュニケーションを図るという施策をやってみました。

―「八方だし」ではクーポン+オススメ情報を使ったPUSH広告を実施させていただいて、その期間に購入された方の5分の3はショピモのクーポン利用者という好結果でしたね。

油谷 「八方だし」は特に料理好きの方には支持をいただける商品だと思っていますので、我々もターゲティングによってそれらしき人に情報を当てるということをやっているのですが、ショピモでもそうやって情報を与えると買ってもらえるんだということがわかったのは収穫でしたね。

「八方だし」でつくれるメニュー提案を掲載したオススメ情報画面。クーポン販促+「八方だし」が置かれている売り場の近くを通ったお客様へ表示するPUSH広告も実施しました。

栗原 それとショピモの回遊ゲーム、あれも我々にとっては非常に合理的だなと思います。先ほども言ったように、我々の商品の提供価値はメニューにあるんですよ。で、メニューには素材が要りますよねというところで、回遊ゲームを利用すればメニューと素材の両方を訴求しながら、自然と売り場で買い回りの動線を誘導できるんじゃないかと。
それを一番やりやすいのは、我々の主戦場でもある「鍋」。鍋物って素材は結構自由と思われがちですが、実際には弊社の鍋つゆでも、パッケージの裏に書いてある材料欄を見ながら買い回るお客様がかなり多いんです。

油谷 パッケージに書いてある材料がバスケットで一緒に買われていることは以前からデータでわかっていまして、それをショピモの情報で前面に出してあげることで回遊が促進されて、店舗のバスケット単価も上がるんじゃないかと考えて依頼させていただきました。

栗原 もちろん弊社の商品が売れることもお得意先様への貢献ではあると思うんですが、そのもう一歩先の考え方として、ミツカンの提案によってお客様がより楽しく満足してお買い物をしてもらうことができれば結果的にバスケット単価も上げられて、店舗にもWIN-WINになる。それが一番いいことかなと思います。

「〆まで美味しい鍋つゆ」シリーズの「ポトフ鍋スープ」「ミネストローネ鍋スープ」を使った回遊ゲーム(あつめてPON!!)の画面。パッケージの裏に書いてある鍋の材料(下写真参照)をパズルのピースに使い、それぞれの商品を置いている売り場の近くを通るごとにそれが1枚ずつ開かれていって、全ピースを集めるとポイントがもらえるしくみ。お客様にゲームを楽しんでもらいながら、自然に各売り場へと誘導します。
鍋スープのパッケージ裏に記載された材料の一例。これを見ながら店頭で買い回りをする人が多いところにヒントを得て、ショピモの回遊ゲーム「あつめてPON!!」に活用させていただきました。

―この他にもミツカンさんでは先日、「こなべっち」のクーポンとオススメ情報を使った広告も実施させていただいていますね。

栗原 この商品は2015年に「〆まで美味しい鍋つゆ」シリーズのミニパックタイプとして発売したのですが、発売当初はあまり売れませんでした(笑)。その後、ブランド名を「こなべっち」に変えて、味も濃縮タイプでありながらストレートパウチタイプと同じ味になるように改良を加えたりして徐々に人気が出てきました。
通常は同じ味種であっても、ストレートタイプと水で薄める濃縮タイプでは味が違ってしまう場合が多いのですが、これは弊社の技術陣が苦労の末に、どちらも同じ味になるように仕上げています。特に一番売れている「ごま豆乳鍋」は女性のファンが多くて、主婦の方の昼食シーンでも活躍していますね。

今年からはCMのイメージもガラッと変えまして、出演されている高橋一生さんと優香さん演じる夫婦が「鍋たべよ」ってなったときに、2人の意見が割れるんですよ。優香さんは「ごま豆乳鍋が食べたい」、でも一生さんは「焼きあごだし鍋が食べたい」、だけど2人は全然困っていない。なぜなら「こなべっち」があるから、というストーリー。
2人で一緒に食べているんですけど、それぞれが違う鍋を食べて楽しそうという新しいシーンを開発することで、商品の幅を広げています。

―ある意味、時代を象徴するような商品かもしれませんね。家庭で同じテーブルを囲みながら、それぞれ違うものを食べているという。

油谷 ただそれが寂しい感じにならないのは、鍋だからかもですね。鍋だったらパーソナルで違うものを食べてても、「ちょっとちょうだい」とか会話が生まれたりして、食事というフィールドが成り立つ。それができるから、鍋は個食になっても面白いのかもしれません。

「こなべっち」のオススメ情報画面。クイズ仕立てにすることで興味を引きながら、「こなべっち」のお得感を訴求しています。

成功事例を社内で横展開できるのも、ショピモのメリット。うまくノウハウを広げていけるのがありがたい。

油谷 今回のショピモ広告では「こなべっち」のお得感をアピールする内容にしましたけど、他にも例えば先ほどのCMのように「個食で鍋を囲めるんですよ」という打ち出し方のほうが響くかもしれませんし、いろいろ情報を出し分けて検証してみるのも面白いかもしれません。お客様にフィットするポイントって我々が思っているのと違う実態があるかもしれないですし、ショピモはそういうお試しができるのもいいですよね。

さらにそれを違う小売チェーンでやってみたりして検証した結果、これはいいぞという筋が見えてくれば、我々の組織内でも横展開できる。こういうところもショピモのすごいメリットだなと思っていて、通常は例えば大阪で成功した型があっても中四国で同じサービスを入れていなければマネできないですし、我々のような役割を持った人間がいないとなかなか実施できなかったりもしますけど、ショピモだとうまくノウハウを広げていけるのは我々にとってありがたいですよね。
それぞれがイチからノウハウを蓄積していこうとしたら大変ですけど、こっちでやってみてよさそうだよってなったら、他でも「いいね、それやってみよう」となったりとか、ショピモ導入店舗の中で、例えばあるチェーンでやって売れましたよってなったら、それを別のチェーンでもやってみようとか、これからはそうなっていくんじゃないかなと思います。

栗原 社内でもよくありがちなのが、せっかくの成功事例も眠らせてしまっては意味がないということ。ナレッジとか情報共有って今起きている成果や成績を客観的に見ながら、会社の資産・知見として回収していくっていうところが大事ですよね。
さらには仮説→実行→検証といったPDCAサイクルを回し続けることによって、お得意先様との関係を良好なものとし、一緒になって生活者へのサービスを検討していくことを考えた時に、ショピモみたいなサービスはお得意先様の関心も高いので、非常にやりがいがあるなと。
我々の役割として、情報をそれぞれのエリアや担当者の中で眠らせるんじゃなくて、それを引き出して引き出して全国へ素早く展開しながら、世の中ではこういう潮流もあるんだと発信していきたいと思っています。
(油谷さんに)けっこうショピモって、我々のいるMD企画2課のシンボル的な活動の1つになってるよね。

油谷 そうですよね、このサービスはホントに、どこかでやってよかったものが他でも展開できる。そこが面白いし、ブラッシュアップしていくスピードも早いと思うんですよ。大阪でよかったものを中四国がもっとよくして、さらにそれをまた大阪がもっとよくしていくみたいなことがたぶんできると思うんです。

栗原 ショピモみたいなやり方って行きつく先はやっぱり1to1になって、そこにAIとかもからんできたら、極論を言うと例えば昨日フットサルでケガした私が病院へ行った情報が店舗にも連携されていて、店に入ると湿布薬がレコメンドで出てくる、みたいな世界になっていくんでしょうね。ちょっと生活しにくくなるかもしれませんけど(笑)。

ただ、今はまだそういう顧客情報を一元的にとりまとめたプラットホームは成立していないので、あくまでもデータは部分的であると捉えています。ID-POSも貴重なデータであることは確かですが、生活者の無数の購買行動の一部でしかないことを考えると、そこでちゃんとした1to1ができるのか?と、懐疑的な考え方があるのも理解できます。
まずは、お店に来て下さっている、そのお店の優良顧客であるお客様に対して、今ある情報の中でできる限りの最適な、お役に立てる提案をしていきたい。そのことで、お客様のお店に対しての信頼があがれば嬉しいし、更に、その方々にミツカンのファンにもなって頂けると嬉しいなと考えています。

―その中で今後、ショピモに期待することは何でしょうか?

栗原 そうですね、さらに個人個人の生活者のニーズに合わせた、細やかな提案ができると良いと思います。弊社では「食・調理ニーズクラスタ」というものを作成しています。生活者をカテゴリー視点ではなく、ニーズ視点で分類分けしたものです。生活者がどういう調理の志向性を持ち、どういう市場性を持っていて、どういうものを好んで買うかといったデータから推察した特長やペルソナ、ライフスタイルみたいなものです。
クラスタ分析では、例えば同じ「カンタン酢」を使って、「料理謳歌層」のお客様方は豚のロース肉で料理を作るが、「健康配慮層」のお客様方はトマトとしゃぶしゃぶ用の豚肉で料理を作る。そういった情報、データをうまく活用して、生活者それぞれに合わせた提案がショピモを通じてできるようになるといいですね。

―出し分けやターゲティングの活用については、まさにいま弊社でも機能開発に取り組んでいるところ。ぜひ早期に実現できるように、引き続き進めてまいります。

本日は、お二方からショピモへの熱い思いをたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。今後ともぜひ末永くお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

当記事の前編はこちらからご覧いただけます。
ぜひ合わせてご覧ください。

この記事を書いている人
家坂典子 / 広報担当
印刷会社や大手通販会社でコピーライター・ECショップ運営などを経て、2017年より現職。無類の動物好きで、いまは3匹の猫と暮らしています。

採用情報

一緒に、挑戦しよう
事業拡大フェイズにつき、Androidエンジニア・サーバサイドエンジニアなど
多職種で積極採用中です。
採用情報を見る