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マーケティングLab

2019.10.31

前編/ショピモは、私たちMD企画2課のシンボル的な活動の1つになっています。【ショピモ活用企業に聞く~Case2】ミツカン様

当社の主力サービス「ショピモ」をご活用いただいている企業をお訪ねして、その成功事例や導入効果などをお聞きする連載企画。おかげさまで前回(J-オイルミルズ様)の記事も大変ご好評をいただきましたが、今回はそれに続く第2弾として、ミツカン様にご登場いただきます。

1804年に創業された歴史ある老舗企業でありながら、トレンドをリードするようなヒット商品を次々と世に送り出し、近年も食酢や納豆などの分野でますます業績好調のミツカン様。そのMD戦略に「ショピモ」がどのように活用されているのか? ご担当者であるMD企画2課の油谷(ゆたに)さんと、その上司である栗原さんのお二方にお話を伺いました。

株式会社ミツカンMD本部 MD企画部 MD企画2課 課長
栗原 康生さん(写真左)
■プロフィール
食品卸の会社などを経て、2008年にミツカン入社。店頭フィールド活動、広域GMSのチルド担当、商品開発などの職種を経験後、2015年より現職へ。現在はMD企画2課の課長として、北は北海道から南は九州まで全国に散らばるチームメンバー11名を束ねる。

同課 主任 
油谷 貴彦さん(写真右)
■プロフィール
2001年に新卒でミツカンに入社し、九州や沖縄などでエリア営業を12年経験。その後、本社の営業統括部を経て、4年前から現職。今年の春より東京から大阪勤務となり、関西の得意先(小売店舗)に向けてMD企画を提案している。

332億から446億へ。家庭で使われる食酢の市場は、2015年からずっと右肩上がりで伸長中。

―ミツカンさんと言えば誰でも一度はその商品を買ったことのあるおなじみのブランドですが、あらためてまず御社の事業内容について教えてください。

油谷 弊社の創業は1804年でして、そもそもは当時の江戸で流行っていた「早すし」(握りずしの原型)に合う粕酢(酒粕を原料にした酢)から始まった会社です。今はご存じの「味ぽん」であったり、「追いがつおつゆ」や「納豆」であったりと、醸造・発酵技術を活かした多様な商品を展開しています。

栗原 現在の主力商品は「食酢」「ぽん酢」「納豆」「つゆ」「鍋つゆ」です。この中で特に最近、健康トレンドとからめて好調なのが食酢でして、2015年からずっと右肩上がりで売上が伸びています。
食酢で今いちばん売れているのは「カンタン酢」シリーズですが、これは「調味酢」と言って、すでに味が決まっているお酢です。以前はご家庭で「生酢(きず)」と他の調味料を混ぜて合わせ酢をつくり、我が家の味をつくるのが主流でしたが、生活者の簡便志向の高まりに対応して、2008年に生まれたのが「カンタンいろいろ使えま酢」でした。
ただ、発売した当初は全然売れなくて(笑)。2014年に名前を「カンタン酢」に変え、根気よく広告や営業活動を続けて浸透を図ってきた結果、ようやく今では弊社の食酢セグメント(または食酢関連商品)でナンバー1になるまでに成長しました。

油谷 数字で言いますと、家庭用食酢の市場規模は2014年に332億だったのが2018年には446億まで伸びています(出典:インテージSRI‐M/カテゴリ:食酢(ミツカン社定義)/期間:2014年~2018年3-2月/エリア:全国/業態:すべて/単位:円)。
押し上げている一番の要因は、いま栗原が言ったような調味酢の台頭が大きいですが、それに加えて最近は「飲むお酢」もかなり貢献しています。健康にいいイメージがかなり定着してきたこともあって、今まで酢を飲むという習慣はほとんどシニア層だけだったのが、最近は若年層の方にも世代が広がっていますね。

ミツカンの食酢セグメントで、売上ナンバー1を誇る「カンタン酢」シリーズ。最初に発売された「カンタン酢」から、「カンタン黒酢」「カンタン酢まろやか和風だし」などバリエーションも続々と増えています。
ミツカンの新たな主力商品として、売上を伸ばしている納豆。独自の発酵技術によって続々とヒット商品を生み出し、付属のたれやカラシの「開けにくい」「手が汚れる」といった不満を解決する「押すだけプシュッ!と」シリーズなども人気を集めています。
従来のシニア層中心だった「飲むお酢」を若年層にも広げた、ストレートタイプのお酢ドリンク。今回の取材中もお茶代わりに飲ませていただきましたが、爽やかな酸味でゴクゴク飲めてしまいます。

ミツカンが目指すのは、「新しいおいしさで変えていく社会」「おいしさと健康を限りなく一致させていく」こと。

―ミツカンさんは伝統ある老舗企業でありながら、時代に合わせて革新的な商品もどんどん出されていますが、これは御社の社風なのでしょうか?

栗原 そうですね、これは企業理念である2つの原点「買う身になって まごころこめて よい品を」「脚下照顧に基づく現状否認の実行」に由来しています。後者は現状に満足せず、己を知り、常に挑戦するという意味の言葉です。
発売時に画期的といわれた、ご飯に混ぜるだけでできる「五目ちらし」や「おむすび山」などのロングセラー商品もあれば、最近でも、これまでずっとボトル市場だった鍋つゆのジャンルに1回使い切りのストレートパウチタイプを出して大ヒット。おかげさまで、こちらの商品は現在も鍋つゆのシェアでナンバー1をいただいています。

また、1997年には自社の発酵技術を生かして、納豆事業へも参入。約2万株もの納豆菌の中から、気になるにおいをつくらない納豆菌を見つけ出して開発された「におわなっとう」や、ビタミンK2を豊富に含む納豆をつくる菌で開発された「ほね元気」、さらに「金のつぶ パキッ!とたれ」のように、たれ小袋とフィルムをなくした商品や「押すだけプシュッ!と」シリーズなど、生活者ニーズをとらえたヒット商品も次々と生まれています。

―商品に共通する理念はやはり「健康志向」を目指されているのでしょうか?

栗原 私たちは「おいしさと健康の一致」を目指しています。本来、食品の素材の中には「おいしさ」や「健康」の要素が含まれています。ミツカンは素材の⼒を引き出し、「おいしさと健康を一致させる努力」で、新しい食のあり方を見つめなおしていきたいと考えています。
それを象徴しているのが「ZENB(ゼンブ)」ブランドで、人や環境への負荷が少ない、「おいしい」と「カラダにいい」、どちらも叶えることのできる新しい食生活を実現していきたい、そんな想いから生まれたブランドです。例えばコーンは芯まで、枝豆はさやまで、植物を普段利用している部分だけでなく、可能な限りまるごと全部使い、素材まるごとの栄養をおいしく食べることができる食品を提供しています。

それともう1つ「クリーンラベル」という取り組みをしておりまして、「生活者にとって、誰もがわかる原材料を表記する」「生活者が摂りたくないモノは使わない、減らしたいモノを極力使わない」ことを目指して、商品開発に取り組んでいます。
たとえば弊社の「CUPCOOK(カップクック)」という商品は見た目こそ一般的なレトルト食品のように見えるかもしれませんが、裏の原材料表示を見ていただくと、しょうゆ、砂糖、しょうがなど、生活者の方にとってわかりやすい材料が並んでいます。

10年先の未来へ向けて、2018年11月に発表された「未来ビジョン宣言」を受けてスタートした「ZENB」ブランド。環境負荷の少ないサステナブルな食糧生活のためには、自然の恵みを全部ムダなくいただくことが必要であるという想いから、野菜を丸ごと余すところなく使った野菜のペーストやスティック(シリアルバー)を開発し、新感覚のおいしさと栄養価の高さが注目されています。
豚薄切り肉に加えて炒めるだけで、シャキシャキ食感のたまねぎとしょうがたっぷりのしょうが焼が簡単につくれる「CUPCOOK」シリーズの「しょうが焼」。豆腐を加えてつくる「四川麻婆豆腐」など、バリエーションも豊富です。
「CUPCOOK」のパッケージに表示されている原材料名は、しょうゆや砂糖など、誰にでもわかる材料だけが並んでいます。ミツカンさんのクリーンラベルに取り組む姿勢がうかがえます。

「テレビCMでバーン、店頭でドーン」が通用しなくなった時代に、情報を届けるのがショピモ。

―御社は業績も非常に好調とのことですが、何かお悩みや課題と感じているようなことはありますか?

油谷 手掛けているフィールドが広いので、もちろん課題もたくさんあります。栗原ともしょっちゅう話しているのは、よく言われることですけど、モノや情報があふれている今、お客様とのタッチポイントが店内・店外問わず無数に広がっている中で、それをいかに確度高く築いていくかということが重要な課題ですし、そこを時流に乗ってうまくつくっていくことが我々の使命かなと思っています。

―店舗でのお買い物は、昔と今ではかなり変わってきている印象でしょうか?

油谷 そうですね、少し前まではここまでデジタルが進展するなんて、みなさんも思っていなかったですよね。御社のショピモなどもまさにそうだと思いますが、お買い物中のお客様に効率よく情報を与えられるなんて、従来ではなかなかできなかったことです。
キャンペーンなども今は紙媒体からデジタルが主流になってきていますし、お得意先様(小売りチェーン)のアプリで顧客の購買履歴からターゲティングをして、適切な情報を届けるといった施策も一緒になって取り組んでいます。たとえば料理をよくされる方は旬の素材をよく買われることがわかっていますので、そこに合った商品をおすすめして、どれだけ購買につながったかをデータで確認しながらPDCAを回すといった施策ですね。
広がったタッチポイントの中で、デジタルをうまく使いながらやっていくこと。これが今後の大きなポイントだと考えています。

栗原 その背景には、人口減で胃袋が減る一方で高齢化も進む社会の変化の中で、ライフサイクルが短いどころか形成もできないまま消えていく商品が多いという現状があります。生活者の方に、商品の情報を十分に知らせることもできずに終売になってしまう。
今までなら、私たちも主戦場である食品スーパーの店頭で売り場をうまくデザインして、買い物に来られた方をキャッチするという黄金律というか王道があって、そこに注力していればよかった。
でも今は生活者の興味関心が多様化して、自ら情報を得る手段も非常に容易になっていますので、我々が一方的にCMやプロモーションをかけていっても実際のところはテレビ離れ・新聞離れが進んでいるわけで、商品のターゲットとして設定した方たちに情報が十分に伝わっていない。その問題を解決するために、「お客様を知る」ことや「お客様に最適なサービスを提供する」ことを率先してやろうとしているお得意先様と一緒になって、サービスや情報をきちんと提供できるように取り組んでいるところですね。

油谷 以前は「テレビCMでバーン、店頭でドーン」みたいなのが、良くも悪くも我々の強みだったんですけどね。

栗原 10年前ならそれである程度、売れたんですよ。初回の販促でしっかり営業をかけて商品を店頭に並べてもらい、そこでテレビCMをバーンと流せば売れた。でも情報があふれている今では、店頭で満足に訴求できるのはほんの一部の商品だけになってしまっています。

油谷 情報も届きにくくなったし、売り場を獲得するハードルも上がったし、さらにもし仮にそれがちゃんとできたとしても、今のお客様はそれが自分事化できないと買ってくれないところもありますよね。いくらテレビCMを大量に投下して、店頭で山積みして待ち構えていたとしても、「何の商品かよくわからないし自分とは関係ない」と思われて、手に取ってもらえなくなってきている。そこでいかにデジタルをうまく使って、「これはあなたに合った商品なんですよ」という情報の届け方をしないと、これからますます難しくなってくるのかなと思いますね。

栗原 生活者の方って、我々の商品を使いたい!と思って買うのではなく、その前に肉や魚、野菜といった素材だったり、ハンバーグやカレーなどのメニューだったりを食べたいというところに動機があって、あくまでも調味料はその手段の1つとして買うのだと思うんですよね。
そこで、我々の商品を使ってできるメニューをいかに魅力的に伝えていくのかが重要になってくるわけですが、たとえば飲料やお酒、お菓子など、商品を見たらすぐに何であるか理解できるようなカテゴリのものに比べると、調味料はより深いコミュニケーションをして正しく認知してもらい、しっかり購買の動機付けをしないと買われない。そのために、デジタルを活用したメニュー提案が有効なのかなと思います。

(後編へ続く

次回の後編ではいよいよ、ミツカンさんのデジタル活用施策の1つとしてショピモをどのように活用されているのか、その事例をたっぷりお届けします。お楽しみに!
※更新は2019年11月13日の予定です。

この記事を書いている人
家坂典子 / 広報担当
印刷会社や大手通販会社でコピーライター・ECショップ運営などを経て、2017年より現職。無類の動物好きで、いまは3匹の猫と暮らしています。

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